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パストデザイン法

パストデザイン法とは

パストデザイン法とは、現世代から過去世代にリクエストを送り、実際に実現しているのとは違う仮想的な現在の世の中の姿を想定する(=パストpastをデザインする)という行為を時間的に未来に平行移動させることで、将来世代として現世代にリクエストを送りつつ将来の世の中の姿を発想することを支援する手法です。

現世代が過去世代にメッセージ(特に「○○をしてほしかった/してほしくなかった」というタイプのメッセージ)を送ろうとすると、仮想過去世代は現状維持から脱した行動をしたことによる後悔よりもむしろ、回避してほしかったという願望(現状維持から脱する行動をしなかったことによる後悔)が生じ、それは将来世代の視点に立って現世代に願望を送る際にも引き継がれることが、私たちの研究から分かりました[参考文献1,2]。
このことが、パストデザインというトレーニングがフューチャー・デザインにも影響を与えることの、理論的根拠になっています。

より抜本的な社会変革を想定する可能性

パストデザインは、頭の使い方のトレーニングなので、パストデザインとフューチャー・デザインでは、同一のイシュー(課題)を扱う必要は必ずしもありません(もちろん同一のメリットもあります)。
極論を言えば、パストデザインの教材は1つだけ用意しておくだけで、どんな現場でのFD実践にも適用可能です。これが、単に過去の情報を参照する方法とは異なる、大きな特徴です。

なお、現世代から過去世代にリクエストを送ることを通じて、将来世代から現世代にリクエストを送ると、現状維持から脱する行動をしなかったことによる後悔を回避する願望が高まることから、パストデザイン法を活用することで、将来人として将来の世の中を描く際に、それを活用しなかった場合と比べて、より抜本的な社会変革を想定する可能性が高まることが期待できます。
これが、パストデザインの第一の効能です。

また、現在から過去にリクエストを送ることは、仮に現代人が当時生存していたとしても、その当時の自分を別人格とみなすことにつながるため、フューチャー・デザインにおいて現世代とは異なる人格を有する未来人になりきることを支援することができます。
これが、パストデザインの第二の効能です。


(文責:第一・第二段落 中川善典)

参考文献:

[1] Nakagawa, Y., Arai, R., Kotani, K., Nagano, M., Saijo, T.(2019). Intergenerational Retrospective Viewpoint Promotes Financially Sustainable Attitudes. Futures, Volume 114, 102454.
[2] Nakagawa, Y., Kotani, K., Matsumonto, M., Saijo, T.(2018). Intergenerational retrospective viewpoints and individual policy preferences for future: A deliberative experiment for forest management. Futures, 105, 40-53.


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