紙芝居

仮想将来人になるとはどういうことか

「将来世代になりきってください」「あなたは、そのままの年齢で、○○年後にタイムスリップし、そこで生活し続けることになったと想像してください。
そして、あなたが生きている社会の姿を描いてください」とお願いされても、ほとんどの人は戸惑ってしまいます。
それは無理のないことです。なぜなら、それは比喩に満ちた表現であり、厳密には実行できないのですから。

率先して上手に仮想将来人になりきる人が出てくる

しかし、これまで日本国内で様々な自治体がフューチャー・デザインの考えを取り入れ、一般市民を招いたワークショップを実施した結果、4〜5名のグループ討議の中で、率先して上手に仮想将来人になりきる人が出てくることが分かってきました。
私たちは、こうした人たちにインタビュー調査を実施し、「仮想将来人になるとはどういうことか」をテーマとする紙芝居を制作してきました。

ある自治体で実施されたフューチャー・デザインの参加者にインタビューを実施して紙芝居を制作します。
それを別の自治体におけるフューチャー・デザインの実施の際に、上映します。参加者は、それを参考に、自分なりに仮想将来人になりきる方法を模索します。
そして、その人にインタビューを実施して、紙芝居を制作します。
こうした作業を繰り返すことで、仮想将来人になりきるとはどういうことか、そこにはどのようなバリエーションがあるのかが、分かってきました。

これまで制作してきたのは、岩手県・矢巾町の市民2名、京都府・宇治市の市民2名を主人公とする合計4つの紙芝居作品です。
いずれも、8〜10個程度の場面からなっており、長さは10分程度です。
本研究所が自治体様等の組織に対して、フューチャー・デザインの実践のお手伝いをさせて頂く場合、事前にこれらの紙芝居を事前に閲覧していただき、その文脈に最も合致したものをお選び頂いています。

参加者の皆様の創意工夫

ひとつの地域で実施したワークショップの参加者様が、仮想将来人になった経験を紙芝居作品に編集する⇒それを新たな地域でのワークショップの参加者様が見て、自分なりの解釈を模索しながら仮想将来人になる⇒それを紙芝居作品に編集する⇒・・・(以下、同じ繰り返し)というプロセスを踏むことで、「仮想将来人になる」という比喩に満ちた表現の解釈についての我々の理解が深まっていきます。
これは、西條や中川のような研究者だけの手では行えない作業であり、参加者の皆様の創意工夫があり、それが蓄積されてこそ、可能になります。
紙芝居という媒体が、この蓄積を可能にしており、その点が本研究所の最大の強みのひとつです。

 

(文責:中川善典)

紙芝居のサンプル画像

紙芝居サンプル1

紙芝居サンプル2

紙芝居サンプル3

紙芝居サンプル4

紙芝居サンプル5

紙芝居サンプル6


フューチャー・デザインの道具箱

紙芝居 パストデザイン法 討議結果からビジョンを抽出する方法
ファシリテーションの方法 今を疑う手法

PAGE TOP